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葬儀から始まる相続手続き

人が亡くなった時、相続手続きはどのように進められるのでしょうか。

遺族にしてみれば、悲しみから手続きどころではない、といったところでしょう。しかし、手続きの中には期限が法律で定められているものもあります。また、前の手続きが完了しないと、次の手続きに移れないといったケースもありますので、注意が必要です。

故人が入院中に死亡した場合には病院が、「死亡診断書」を作成してくれます。また、事故死の場合は、検視に当たった医師が「死体検案書」を作成します。これらは、戸籍法上の「死亡届」を役所に提出する添付書類として必要です。

役所に死亡届を提出すると「埋葬許可証」「火葬許可証」が発行されます。これがないと、各自治体や地域連合が運営している火葬場の予約がとれません。

届け出期間は、死亡の事実を知った日から7日以内で、海外で死亡した場合などは3か月以内となっています。

葬儀が終わったら、健康保険、年金、介護保険の手続きをしなければなりません。国民健康保険の場合は自治体の役所の国保課へ、健康保険組合の場合は各組合へ届を出します。

健康保険組合の場合、葬祭料として5万円、これに葬祭を行った家族に、被保険者の資格喪失当時の標準報酬月額の2ヶ月分から葬祭料の額を控除した額が支給されます。

国保の場合は、5万円が支給されます。これらは、葬儀を行った人(喪主等)に払われることになっています。これは当然相続財産にはあたりません。また、葬祭料請求の時効は2年ですので、注意が必要です。

次は年金ですが、国民健康保険のみの方は役所でも年金事務所でも手続き可能です。厚生年金をもらっている方は、最寄りの年金事務所に死亡届を提出することになります。

また、死亡した人に支払われるはずであった年金が残っているときは、あわせて「未支給年金保険給付請求書」を提出します。なお、遺族が遺族年金を受けられるときには「遺族給付裁定請求書」を提出します。必要書類は先ほどの死亡診断書又は死体検案書を添付することになります。死亡届の期限は死亡から10日以内(国民年金14日以内)です。

年金手続が面倒に思われるまたは、手続きがよくわからない方は、社会保険労務士に依頼することも検討しましょう。